ADHDに向いてるバイトと、絶対してはいけないバイト【ADHDタイプ別】
ADHDの私は 大学生の頃、小さな居酒屋さんでアルバイトを始めました。
お客さんの話し相手をしたり、注文を取ったりしながら調理もするといった頭が忙しくなる業務で毎回ミスをしてしまい、とても迷惑をかけました。
どれだけ覚えてもミスをしてしまい、バイトの後輩たちにもどんどん追い越され、一年たっても新人と変わらないダメ仕事っぷり。
その辺りでやっと、自分の頭はおかしい…と気づいたのです。
そこを辞めた後も、ゲーセン、コンビニ、飲食、引っ越し、工場、ホストクラブなど バイトを転々として、ようやく自分にも勤まるものを見つけることができました。
…これまでの経験から、私の様に不注意などのハンデを持ったADHDには厳しいバイト、ADHDにお勧めのバイトを紹介します!
目次:
ADHDに向いてるバイトの条件は?⇒タイプによって違います
【多動タイプか、不注意タイプかで違ってくる!】
ADHDには、大きく分けて2つのタイプがあります。
・多動性/衝動性優勢型ADHD
…いつも落ち着きがなく、衝動的に思うことをしゃべったり怒ったりしてしまう
・不注意優勢型ADHD(ADD)
…いつもやる気が出ず、ぼーっとしてミスが多い
(詳しくはこちらを参照してください ⇒ADHDの3つのタイプと症状別対処法)
あなたがこのどちらのタイプかによって、向いている仕事内容は全く違ってきます。
多動タイプの方は単純作業や事務的な仕事が苦手なので、動き回ったり刺激の多い仕事が向いていると言われています。
不注意タイプの方は、あまりテキパキ動かなくてもいい、つまり時間に追われずじっくり取り組める仕事が向いています。
どちらのタイプでも、ADHDの人は仕事に割ける脳のソース(容量)が少ないので機転が利かず、臨機応変な対応を求められる職種が苦手になります。
私がやったバイトでいえば、カラオケのフロント業務や居酒屋のホールなどは、ひっきりなしに臨機応変な判断が必要なのでミスも多く毎日ヘトヘトになりました。他にはコンビニのレジも同様。
接客以外でも、解体現場やイベント会場の設営などもチームで忙しく動くので、周りを見ながら機転を利かせてキビキビと行動できなければいけません。
ADHDがしてはいけないバイト
ADHDはワーキングメモリーが弱いため、とにかく不注意やミスが目立ちます。
(参考⇒ワーキングメモリーを鍛えるトレーニング)
たくさんの事に気を向けたり、一度にいくつも覚えておくことができないのです。
忙しくてバタバタしたり、接客と調理など 作業を同時にこなさなければいけないようなバイトは絶対に避けるべき。
そんな危険なバイトの例をあげると、、
飲食店のホール
飲食は本当に忙しいです。
特に注文、レジなどをこなすホールは
ホール全体のお客さんの様子をみたり、料理を運んだりと
同時に気を付けておかなくてはいけない事が多いので、必ずミスをするでしょう。
生まれつき頭の回転が速くて、ワーキングメモリーが強い人にしかこなせない業務です
コンビニ
コンビニは必ずレジをやらなければいけません。
品出しや掃除などの作業はともかく、レジは危険です。
なぜならコンビニのレジは覚えておくことがとても多い上にお客さんが話しかけてくるので
頭が同時処理しきれずミスをするからです。
レジをするなら、スーパーのレジなどは客さんとの会話があまりないので慣れればこなせると思います。
※どうしてもコンビニで働きたいなら、余裕のある直営店舗を探しましょう。オーナーのいるフランチャイズ店はやめたほうがいいです。
フランチャイズはオーナーが本部にお金を搾り取られてカツカツなため、人件費を抑えるためにバイト一人当たりにガンガン作業を割り当てられて、深夜のバイトでさえ忙しくて仕事が追い付かないところが多いです。
トラックドライバーなど
注意力のないADHDは事故を起こしたり、道を間違えたりすることが多く、車の運転が苦手です。
さらに、タクシーやバスの運転手はお客さんとの会話もあるので注意力がそがれて最悪です…
それでは次に、多動タイプと不注意タイプの得意な仕事・バイトを、それぞれ紹介していきます!
多動タイプのADHDに向いてるバイト
多動型のADHDは、じっとしているのが苦手なので工場のラインなどの単純作業や、面白みのない地味な業務でミスを連発してしまいます。
その反面、外向的で行動力のある方が多いので、雑誌の記者、出版・広告関係の編集など 人と接する、刺激のある仕事が向いています。
あるいは、自分の興味のあることであれば集中力を途切れさせずに続けることができます。
外回りの営業
社交性のあるADHDの方、落ち着きのない方には営業の仕事が向いてますね。
訪問販売やルートセールスみたいに、自分から相手先に飛び込む形が最適です。
実際に営業で成功しているADHDの方は多いので
内勤でミスをしたり、多動でじっとしていられない方は営業を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
ホスト・ホステス
ホストは、人と話すのが好き、苦にならないという方には適職です。
まずは週末の夜だけでも試してみてはいかがでしょうか。
勢いとノリが大事なので、多動で多少のミスがある人でも問題ありません。
別にイケメンでなくても全然問題ありませんが
容姿が良いなら男性ならサパークラブ、女性であればキャバやガールズバーもいけますよ。
ただし飲みすぎて体を壊さないように気を付けてくださいね。
(参考⇒お酒に酔わない方法は?アルコールから体を守れ!【ホスト流戦術】)
起業する
ADHDの方は起業家に向いていると言われています。
「衝動性がある = 行動力があり即決できる」のは起業家に必要な資質です。
またADHDの一つの事に集中できずいろいろな事に興味を持ってしまう特性は、技術や経理などの専門性にとらわれず、トップに立って多角的に物事を見る力につながります。
苦手な時間管理や細かい事務仕事は、秘書さんや信頼できる社員に任せましょう。
もしあなたが今、向いていない仕事でミスを連発しているなら、
同僚にミスがないかチェックしてもらったり、管理してもらったり、苦手な事だけ任せたりと、周りの人に頼るのも手ですよ。
(関連記事⇒大人のADHDのための仕事術)
好きなことを仕事にする
ADHDは興味のない作業を続けることに、とても苦痛を感じます。
そこで、好きなことをやって収入を得られないかを考えてみましょう。
縛りが少なく一つの事にのめり込める研究職やスポーツ選手、
豊かな想像力と発想力を活かせる芸術家やクリエイターにはADHDでも活躍している方がたくさんいます。
不注意タイプのADHDに向いてるバイト
不注意タイプのADHDには、とにかく一つの作業に集中させてもらえる仕事が向いています。
また不注意タイプは内向的でおとなしい方が多いので、人に話しかけられると焦ったり、ストレスが貯まっていくかもしれません。
つまり条件としては
・仕事中に人に話しかけられたり、会話が多い業務はNG
・あくせく動き回る仕事はNG(車の運転も)
逆に、座ってしっかりと取り組める仕事では、すばらしい集中力と忍耐力を発揮します。
一人で物事をじっくり深く考えることも得意です。
なので、研究職、図書館の司書、小説家(ライター)、翻訳家、プログラマー、工芸職人などが向いています。他にも、在宅でできる仕事は狙い目です。
イラストレーター、作曲家、デザイナーなどのクリエイティブな仕事に向いている方も多いです。
デスクワーク系のバイト
文章の校正、ゲームのバグチェック、エクセルやワードを使った資料の作成補助、コールセンターなど
座って一つの作業に集中できる仕事は、ワーキングメモリー的な注意力を試されないので健常者に劣らない働きができます。
ただし
・作業中、頻繁に話しかけられる職場
・いろいろな作業を並行してやらされる職場
では、たとえデスクワークであっても上手くいきません。
仕事を探すときは、作業環境や職場の雰囲気をしっかりチェックしておきましょう。
落ち着きのある(多動、衝動性のない)ADHDには活気のあるバイト先より、落ち着いてる人、穏やかな人が多い雰囲気のオフィスが居心地が良いかもしれません。
こういったバイトはあまり人の入れ替わりがないので探しにくいですが、社員のコネであったり、タウンワークなどのバイト情報誌に載ってることもあります。
こういったオフィス系の仕事では、エクセルや簡単なプログラム知識などの技能が身に付きやすいです。
アルバイトで3年くらいAutoCADやフォトショップなどの実務経験をつんでおくと就職にも有利ですし、フリーランスとして在宅で仕事をするようになる方もいます。
工場のライン作業
コツコツと自分の仕事に集中できる単調作業はおすすめです。
例えば、工場の単調なライン作業なら ADHDにありがちな、うっかりボーっとして別の事を考えてしまっても全く問題ありません。想像力豊かなタイプのADHDには 思考や妄想にふけることができるので、もってこいの職場ではないでしょうか。
他にもスマホの修理や商品の仕分け・梱包などのバイトも黙々と作業できておすすめです。
※同じ工場でも、工場の中でせわしなく動き回る仕事は全く向いていません。
バイトに入る前に仕事内容をよく確認してくださいね。
施設警備員
男性向けですが、特に夜間の施設警備はやることが少なくて、あせらずできる良い仕事。これが天職だと感じるADHDの方も多いです。
主な内容は会社や大学、工場等の見回り巡回とモニターでの監視。
夜間は時給もよく、求人もそこそこ出ているので探してみてください。
ただし警備の採用には、身元をきっちり確認されます。身元保証書の提出、家族や前の職場への電話などもあるかもしれません。
※同じ警備でも、きつくて危険な交通整備などに応募しないように気を付けてください。
相手に集中できるバイト
これまで接客のない仕事をすすめてきましたが、
逆に 他に作業がなく相手と話すことだけに集中できる仕事もよいものです。
例えば、家庭教師やアンケート調査のバイトなんかがあります。
農業
ADHDの人はケアレスミスが多いので、時間やタスクに追われ続ける仕事は向いていません。
バイトとは違いますが、農家になればその日の段取りも時間配分もすべて自分の采配でできるので、あせらず仕事をすることができます。
趣味の内職で稼ぐ
インターネット上では、
同人作家、アマチュア声優、ビーズアクセサリーの販売、ツイッターのオリジナルアイコン作成代行、ガンプラの製作、カブトムシのブリーダー、出張ホスト、出張ファッションコーディネーター
…などなど自分の趣味でお小遣い稼ぎしている方たちがたくさんいます。
あなたもメルカリやココナラ、Twitter等でモノやサービスを売ってみてはいかがでしょうか?意外と需要があるかもしれません。
それが上手くいって、生計を立てられるようになったら最高ですね。
※バイト求人サイトで探す時のコツ
タウンワークなどのアルバイト求人サイトでバイトを探す時のコツは、「黙々」「モクモク」「コツコツ」などでフリーワード検索することです。
ただし「接客がないから安心!」と書いてある求人でも、同僚と頻繁にコミュニケーションしないといけない場合があります。これだと結局、仕事のやりづらさは同じなので気をつけましょう。
ADDの人は基本的に頭の回転が遅いので、要領の良さや臨機応変さが求められる仕事に向いていないようです。
これは仕事に限らず、コミュニケーション全般に関わってくることなので、恋愛や人付き合いで悩んでいる方はこちらの記事を読んでみてください。
⇒内向的で頭の回転が遅いあなたへ…
ADHDでもできるバイト
どうしてもバイトが続かなかったADHDの私でも、一年以上続けられたバイトを挙げていきます。特に、接客のない深夜の時間帯がおすすめです。
清掃業
ビルや施設の掃除は、黙々と作業できるものが多いのでミスをしにくいバイトです。
(ただし、バイト先によってはチームワークが求められたり、臨機応変にやり方を変えていく必要があるので、そういった職場はやりにくいかもしれせん。)
仕事内容は ビルの窓ふき、飲食店店舗のクリーニング(深夜作業)、駅などの施設の床掃除・ゴミだし、ホテルのベッドメイキングなどなど。
同僚も年齢高めの人やコミュ障の人が多いので気負わず働けるし、バイトから社員を狙いやすいですよ。
飲食、小売りの深夜帯
お弁当屋さんなどの深夜のアルバイトは、品出しや掃除、明日の仕込みなどを黙々とこなしていくので
一旦仕事の流れを覚えてしまえば本当にやりやすいです。
ただし、24時間営業の店の場合は、接客しながら他の作業も並行してやるので難易度が跳ねあがります…。それでも昼よりはマシなので、慣れていけば何とかなるかもしれません。
ちなみに夜勤でも健康でいるコツは、生活リズムを守ってお昼にしっかり眠ることです。家に帰ったら、完全遮光のカーテンを閉め切って真っ暗な部屋で寝ましょう。静かな環境で、誰かに起こされたりしないことも大事です。実家住まいの方は家族の協力が必要ですね。
飲食店のキッチン
昼時や夜の厨房は戦場のような忙しさです。頭の回転が追い付かずにミスしてしまうかもしれません・・・
ですが、お客さんとの接触がなくて本当に厨房だけをやらせてもらえるところなら、慣れと工夫次第でこなせると思います。
食材の準備・皿洗いを延々とこなす雑用ポジションも狙い目です!
治験ボランティア
一時的に稼ぐなら治験がおすすめです。薬を飲んで寝ているだけで、かなりの謝礼金がもらえます。新薬が国に認可されるための最終確認テストなので危ないこともありません。
私が以前やった泊まり込みのボランティアは、毎日やることがなくて病室でスマホいじったり本を読んでいるだけなので楽でした。
ボランティアにもいろいろ種類があって、
ニキビ治療、喘息治療、メタボ治療、青汁モニターなど面白いものがあるので自分に合ったものを探してみましょう
特に働き盛りの30代のモニターさんは人が少ないので引く手あまたです
バイトでのミス・遅刻を減らす方法!
ワーキングメモリーを鍛える
ADHDの方の脳は、物事を同時に処理する能力(ワーキングメモリー)が低下しているので、少しでも他のことに気を取られるとミスをしてしまいます。
これを防ぐにはワーキングメモリーを鍛えるトレーニングが効果的です。
スマートドラッグを飲む
チロシンやイチョウ葉エキスなどのサプリメントは、脳の機能を一時的に高めるスマートドラッグとして知られています。
これを飲むと頭の回転や記憶力が高まり、ミスを減らすことができます。
薬ではなくただのサプリメントなので、危ない副作用もありません。
バイトのうっかり遅刻を減らすには、DMAEというサプリメントがおすすめ。毎日飲み続けると頭がすっきりして出かける前の準備がはかどります。
朝、やる気が出なくて体が動かないという場合はチロシンを飲んでみてください。
就職には障害者雇用枠を活用しよう
ADHDの症状が重ければ、精神障害者保健福祉手帳を取得することができます。
これを使って、ハローワークや障害者就労支援センターで障害者雇用を狙ってみてはいかがでしょう。
業務はプログラミングだったり、ハガキの仕分けだったりと企業によってまちまちですが、なるべく単純作業を中心にするなどADHDに配慮してもらえます。
他に障害者雇用のメリットとしては、普通に就活する場合よりも受かりやすい事ですね。
逆にデメリットは、賃金が低めな事、パートや契約社員での雇用が多く、出世し辛い事です。
ちなみに障害者雇用の就活をしながらでも、他のところには言いたくなければADHDを言わずに普通に就活することもできます。
なお精神障害者手帳を取ると、税金が安くなったり、ディズニーランドで並ばなくてよくなったりと いろいろお得なので、ぜひ検討してみてください。
以上、ADHDにおすすめのアルバイトでした。
これをきっかけに、あなたに合った職種が見つかれば嬉しいです。
私は不注意優勢型のADHDですが、多動のある方も参考にしていただけるように紹介しました。
ADHDって、なかなか自覚しにくいですよね。
私も学校のお勉強はよく出来たので自分がこんなにバカだって気付きませんでしたが
居酒屋で、同僚のフリーターのお兄ちゃんやお姉ちゃんが、注文を取ったりお客さんを笑わせたりしてキビキビ働いてるのを見て、なんて頭のいい人たちなんだ…てビックリしました。
社会に出てからADHDに悩まされると、本当に苦労するので
できれば学生のうちに 人にできて自分にできないこと、できることを見つけて欲しいと思います。
自分に向いた仕事を見つけよう
あなたが仕事が辛くて悩んでいるとき「忍耐が大事だよ」「石の上にも三年」みたいに説教してくる人もいるかもしれませんが、私はそうは思いません。自分に向いていない仕事を続けるのは人生の損失です。
私も今まで、「お金が稼げそう」とか「モテそう」「成長できそう」といった理由で自分にまったく向いていない仕事もやりましたが、それらは辛いばかりで時間の浪費でしかありませんでした。
あなたが学生さんでも、すでに社会人だとしても、真っ先にやるべきなのは自分が何に向いているのかを知ることです。ADHDでも働くことが苦にならず、自分の特性を活かせる仕事は必ずあります。
私は今までストレングスファインダーのような適職診断、モチベーションアップのセミナーなどいろいろ試しましたが、一番役に立ったのはこの本でした
著者によれば、天職は自分の「得意なこと」「好きなこと」「大事なこと(人生に求めているもの)」の3つをかけあわせたものだといいます。
もしかしたらあなたは「得意なことなんてない」というかもしれませんが、たとえば堅実で用心深いとか、細かいところによく気が付くとかでも十分です。この本を読めば自分の好きなこと・得意なことの見つけ方もしっかり書いてありますよ
こんなに分かりやすく体系立てて、自分のやるべきことを見つけられる本は他にないと思います。職探しに行き詰まったら、ぜひ参考にしてみてください。
関連記事:
ADD・ADHDの不注意を改善するには
ADHDが一人暮らしするときのコツ
大人のADHDってどんな感じ?症状と特徴について
こちらも読まれています
→サイトマップ(全記事一覧)