アスペルガーは「超男性脳」の症状? 接し方について考えた


人の感情に興味が薄く、また自分のルールを大切にするなどの特徴がある自閉症やアスペルガー。

先日読んだこの本では、アスペルガーについての章を設け、
アスペルガーは超男性脳の症状だと言う考えを述べています。
共感する女脳、システム化する男脳

筆者はこの説にかなり確信を抱いているようで、
多くのページを割いて詳しく説明しています。

この話は私も説得力を感じ、
アスペルガーの方に対する接し方を考えるうえで 大きな助けになると思いました。

 

このアスペルガー超男性脳説について説明するには、
まず男性脳と女性脳の違いについてお話ししなければいけません。

 

男性脳と女性脳の違いについて

近年では、脳の性差について研究が進められ、男女の得意分野の違いが科学的な面からも認知されるようになってきました。

男女で脳の器質に違いが出てきたのは、進化の過程で必要だったからです。
狩猟時代から、体の大きな男性は狩りに出かけ、子供を産み育てる女性はねぐらの周りを整えます。

そのため、
男性は道に迷わないように歩き、動く獲物に弓矢や槍を命中させる、空間的な能力を身に着け
女性は集落で協力して家事をし、子供を育て、赤ちゃんの表情や泣き方から状態を正確に察知するコミュニケーション能力を身に着けました。

 

男性は、一般的に女性と較べてスポーツや車の運転が上手く、集中力(のめりこむ力)があり
そしてもうひとつの特徴として、物の動きやシステムに興味があるようです。

※脳は、男性脳、女性脳とはっきり分かれているわけではなく、極端に男性的、女性的な方もいれば、少し男性的な方や、真ん中くらいの方もいます。
ただ平均をとると、男性は男性的な脳、女性は女性的な脳に偏っています。

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システム脳と共感脳

男性脳は
物や社会の動き、仕組みなどのシステムに興味を示す一方で、
他人の感情に共感したり、うまくやっていこうといったことに関心を払わない傾向にあります。

その結果、バイクいじり、電車、プラモデル、将棋などのボードゲーム、数学などに関心をもち
他人の気持ちを察したり、言葉の裏を読んだり、などのコミュニケーションを苦手とします。

これって、アスペルガーの特徴とそっくりだと思いませんか?

 

男性脳アスペルガーの方への接し方

このことから、アスペルガーはなんらかの理由で
脳が極端に男性脳に偏ってしまった結果起こるもの
と考えることもできるのではないでしょうか。

 

実際に、この考えを頭に持っていると
いくぶんかスムーズにアスペルガーの方に接する事ができます。

 

アスペルガーの方に、こちらの立場や気持ちを理解してほしいと期待することはむなしいことかもしれません。
理解してくれない、考えてくれないというより、そもそも他人に共感する能力がほとんどないのですから。
ですので、気持ちで語るのではなく、あれをしてほしい、これをしたら困ると感情を交えない指示や提案のみのコミュニケーションが有効です。

またアスペルガーの方の空気を読まない言動や、失礼な発言も
けして悪意があり あえてやっているのではなく、
アスペルガーは相手が何を言われれば喜び、何を言われれば怒るのか考えるのが不可能な障害 と理解していれば腹も立たなくなるのではないでしょうか。

 

アスペルガーの方は知能には問題のないことが多いため、つい健常者にとってあたりまえのコミュニケーションを要求してしまいがちですが
こういった周囲の理解を得ることができれば本人にも周囲にとっても大変生きやすくなります。

そして超男性脳のもたらす得難い特性・興味をうまく生かすことができれば、社会に大きく貢献しながら、幸せに生きることができると考えています。

 

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