ADDとADHDの違いと、タイプ別改善法について


近年、ADHDの名前が世間でも広く認知されるようになってきましたが、ADDという名前はあまり聞きません。
「もしかして自分はADHDかも?」と思っているかたは、正確にはADDの可能性もあります。
また同じADD・ADHDでも人によって症状が違うので、自分がどのタイプなのかを知り、自分に合った改善法を試してみてください。

[ad#ad]

 

ADDとADHDの違いは H(過活動)のあるなし

ADHDは attention-deficit hyperactivity disorder の略で、日本語では 注意欠陥・多動性障害 と言います。

一方ADDは attention-deficit disorder、注意欠陥障害のことです。

つまりADDとADHDの違いは hyperactivity(多動性)があるかどうかなんです。

 

 

動きに表れないのがADD

ADHDの主な症状として

不注意多動性衝動性

の3つが挙げられます。

 

●不注意(注意障害)とは

・簡単に気をそらされる、細部をミスする、物事を忘れる
・ひとつの作業に集中し続けるのが難しい
・その作業が楽しくないと、数分後にはすぐに退屈になる

などの症状のことです

 

●多動性(過活動)がある場合は

・じっと座っていることができない
・絶え間なく喋り続ける
・黙ってじっとし続けられない

というように、落ち着きのなさが体の動きに表れます

 

●衝動性がある場合は

・結論なしに喋りつづける
・他の人を遮って喋る
・自分の話す順番を待つことが出来ない

というように、精神的に落ち着きがないようにみえてしまいます。

この3つのうち、多動性(過活動)だけがなく、見かけ上は落ち着いて見えるのがADDに分類されます。

 

 

隠れた大人のADD・ADHD

子供のうちは、突然走りだしたり、授業中に椅子から立ってうろうろし始めたりといった多動性が目立っても、大人になると自分を律することができるようになるため
「大人のADHDは存在しない。そのうち治るもの」という考えが浸透していました。
いまでもそのような考えをもつ心療内科医もいるため、成人のADHDを扱う心療内科は少ないです。

しかし、これは目立ちやすい多動性を抑え込めるようになっただけで、不注意・衝動性の症状は依然として改善されておらず 実はADDであるケースが多いのです。

実際に日本の人口の約3%ほどがADD・ADHDだとされていて
晩婚化の影響か、ADHDの子供の割合は年々増えつつあると言われています。

 

 

ADHDの3つのタイプ

ADHDには、その症状の出方によって

多動性・衝動性優勢型
混合型
不注意優勢型 (ADD)

の3つに分類されています。

 

●多動性・衝動性優勢型ADHD

多動性・衝動性といった落ち着きのなさが目立つのが多動性・衝動性優勢型。

子供の場合だと、
授業中歩き回ったり、道に飛び出す、
すぐに大声を上げたり、乱暴になったりしてしまう

大人の場合
貧乏ゆすりなど体を常にうごかしている
あまり考えずに反射的に話に割りこんだりデリカシーのない発言をしてしまう。

などといった行動が目立つ
比較的、男性のADHD患者に多いタイプです。

多動性・衝動性は、比較的改善しやすい症状だとされていて 訓練や少量の投薬で改善されるケースが多くあります。

 

●不注意優勢型ADHD

忘れ物やケアレスミスが多いなど注意力のなさが目立つのが不注意優勢型で、ADDに分類される場合もあります。

他にも
気が散りやすく、興味のあること以外には集中できない
ぼーっとしてやる気がないように見える
整理整頓ができない

といった特徴があり、比較的、女性のADHD患者に多いタイプです。

不注意に関しては改善が難しく、ADHD治療薬で改善する場合もっとも効き目が強いコンサータを処方してもらうことが望まれます。

 

●混合型ADHD

どちらの特徴も持っているタイプです。
発達障害だと発覚しやすいけれど、アスペルガーと見分けにくい場合があるので厄介です。

 

 

 

ADDの7つのタイプ

アメリカの精神科医ダニエル・エイメン博士は、個々の患者を診断し治療するため 脳のスキャン画像などを元にADDを7つのタイプに分類しました。

科学的な実証や十分な検証が行われていないため、アメリカでは批判されることもあるようですが 少なくとも、自分の抱えている問題点を見つめなおすための指標になるのではないでしょうか。

 

こちらのサイトでは、自分がどのタイプか自己診断ができます。
エイメン・クリニック式ADD分類チェックリスト

 

ADDの6+1つのタイプ

典型的ADD
不注意、多動性、衝動性がわかりやすく表れる。

不注意型ADD
多動性がないので周囲から気づかれにくい。

過集中型ADD
融通が利かない頑固なタイプ。

側頭葉型ADD
癇癪、妄想、パニックをおこしやすい。

辺縁系型ADD
無気力で不機嫌なタイプ。

火の輪型ADD
攻撃的で、焦りのあるタイプ。

不安型ADD
心配性で不安を抱えている。

 

 

エイメン博士の著書 「わかっているのにできない」脳(2001)では、
6つのタイプ分類と、それぞれのタイプが取るべきサプリメント、注意点などが書かれていますが
この本は現在絶版となっており入手は困難です。

6つのタイプ分類については
星野仁彦博士の著書でも詳しく解説されているので、興味のある方は読んでみてください。

知って良かった、大人のADHD(2015)

 

知って良かった、○○○○ADHD(2004)

 

 

ADD・ADHDの症状別改善法

ADD・ADHDの症状である不注意、多動性、衝動性はすべて
脳のドーパミン(またはノルアドレナリン)不足が原因とされています。

よって、脳内のドーパミンを増やすことができれば、全般的に症状は改善されます。
瞑想、サプリメント、ADHD治療薬などが有効です。

ADHDの人がドーパミンを増やすには?

 

多動、衝動性を改善するには

多動性・衝動性は、比較的改善しやすい症状だとされています。
アクセプタやブプロンなどが有効です。

アクセプタの効果について [ADHD治療薬]

 

不注意を改善するには

忘れ物やケアレスミスは、
前頭葉のドーパミン不足によるワーキングメモリーの弱さが原因です。
ワーキングメモリートレーニングが有効です。

ワーキングメモリーを鍛えるトレーニング
ADHDによる不注意を改善する薬

 

やる気のなさを改善するには

体が動かないのは、意欲を司る 脳の側坐核のドーパミン不足が原因です。
コンサータが特に有効ですが処方箋なしでは手に入りません。
アクセプタやブプロンなどのADHD治療薬、
チロシンなどのドーパミンを増やすサプリメント、
ギンコビロバ(イチョウ葉エキス)などの脳の血流を増やすサプリメントなどで改善する可能性がありますが
人によって効き目は違います。

ADHDでもやる気をだすには

 

不安、鬱、焦りなどを改善するには

辺縁系型ADDや不安型ADDは、うつ病を併発することもあります。
心を落ち着かせるにはデパスなどの抗不安薬か、セロトニンを増やす薬、サプリメントが有効です。
ただし脳のセロトニンが増えると、ドーパミン、ノルアドレナリンが少なくなってしまう事もあるので 不注意などの症状が改善されない可能性があります。

 

ナルコレプシーを改善するには

ドーパミン、ノルアドレナリンの不足によって交感神経が働かず、いくら寝ても日中の猛烈な眠気に襲われるケースがあります。
これはアクセプタの服用で改善します。

 

こちらも参考にしてみてください。
[脳力アップ] ADHD悩み別スマドラ・サプリ





サイトマップ(全記事一覧)

Sponsored Link



ページトップ